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日々もごもご



2006年3月31日(火) 0時50分

名木田恵子『白鳥の湖の謎 バレリーナ事件簿』
 名木田恵子さんのお名前にピンとこなくても、水木杏子さんと言えば、思い当たる方も多いでしょう。そう、かの名作マンガ『キャンディ・キャンディ』の原作者です。水木さんは『キャンディ・キャンディ』連載時は、複数の名前でマンガの原作者として活躍されていましたが、現在は名木田恵子名で、主に10代向けの小説を精力的に発表し、「フーコとユーレイ」シリーズなどで、多くの読者を得ています。試しにYahoo!ブックスで「名木田恵子」で検索したら、126件がヒット。人気のほどがうかがえます。私は名木田さんの小説を読んだことはなかったのですが、タイトルにひかれて、今回初めて手にとってみました。

 父親がフランスへ行くことになった芦辺聖良は、母方の祖母が経営する全寮制バレエ学校に預けられる。だが、初めて会った祖母は冷たく、寝起きする部屋は倉庫、仕事として学校内の掃除を与えられ……という設定は、『小公女』を連想させます(考えてみれば、主人公の名前もセーラですね)。祖母の孫だと名乗ることは禁じられ、憧れのバレエが習えるのではという希望があっけなく消えても、主人公はすねることなく明るく前向き、というのも、少女小説の常道です。
 とはいえ、よくある設定と登場人物なのに、物語の展開は予測がつきません。話の行く末が気になって、ついつい読み進んでしまいました。筋立てに起伏があり、しかもバレエ『白鳥の湖』が、ちゃんと作品に取り込まれ、さらに、行方不明の母にまつわる謎の解明(および主人公のバレリーナとしての成長と、祖母との和解)というシリーズ全体の大きな構想も見えます。実は読み始める前は、あまり期待していなかったのですが、やはり人気作家の手腕は伊達ではありませんね。次回作がけっこう楽しみになりました。

 次の『眠れる森の歌姫』は、7月発売予定。夜中の秘密の特訓(これまたよくある設定ですが、先生役はあまりありふれていません。誰なのかは読んでのお楽しみ)の成果もストーリー展開に絡んでくるのでしょうか。

 『白鳥の湖の謎 バレリーナ事件簿
  岩崎書店(フォア文庫)
  630円(税込み)
  ISBN:4-265-06367-5


2005年11月2日(水) 0時50分

チケット・クラシックを使ってみる(その2)
 申し込みから4日後にチケット到着。届いた封筒の中身はチケットのみ。チケット送りますの案内書きも、公演チラシも、チケット袋も無し。シンプルなものです。チケットの大きさは、縦7.5cm、横16cm。縦はNBSのチケットと同サイズ。持ち歩くことを考えたら、もう少しコンパクトな方が嬉しいのですけどね。左上には、金地・白抜きの“TICKET CLASSIC”のロゴがぴかぴかしてます。
 チケットは普通郵便での配達でした。宅配便等で送ってくるところもありますが、私は普通郵便の方がいいです。配達記録や宅配便のような手間(不在票を受け取る→配達日時を指定する→配達する人を待つ→ハンコを押す)がありませんから。でも、それも配送事故があった時の対応が、しっかりしてることが前提です。チケットが届かなかったらどうなるのかというのは、実際にその時にならないとわかりませんが、できれば、そういう事態には遭遇したくはないですね。

 チケットを手にしてみての感想ですが、自宅で申し込みできて、席を選べて、手数料が無料で、受付時間が24時までで、チケットを郵送してもらえるというのは、利用者としてはメリットが大きいです。電話がかかりにくかったり、オペレーターの対応が悪かったりすると、利用を躊躇するかもしれませんが、少なくとも初回はそのようなことはなく、手に入れたいチケットが購入できるようになったら、また電話してみようと思います。現在はいかんせん、扱ってる公演数が少ないですからね。その点は今後に期待。

 宣伝誌『Ticket Classic』は、前回書いたようにページ数も多く、内容が盛りだくさんです。当然、バレエ関連の記事もあって、10月号には湯川麻美子さん、11月号には佐久間奈緒さんと真忠久美子さんがインタビューに登場しています。また11月号では、巻頭で新国立劇場「カルミナ・ブラーナ」と『くるみ割り人形』をカラーで10ページにわたり紹介(デヴィッド・ビントレーのインタビュー付き)。
 バレエチラシ収集家(なんですよ)としては、「今月のチラシ」のコーナーが気に入っています。第1回で取り上げられたのは、なんと光藍社主催の「ボヘミア・オペラ」。光藍社の遠慮なく派手なデザインは、やはり人目をひくのでしょうか。そのうちバレエ公演のチラシも取り上げてほしいものです。
 『Ticket Classic』は1年間の購読料は2000円ですが、購読申し込み時にチケット購入につかえるポイント2000円分がもらえます。また、チケット・クラシックからチケットを購入した人には、半年間無料で送ってくれるとのことでした。


2005年10月23日(日) 23時50分

チケット・クラシックを使ってみる(その1)
 手数料・送料が無料、しかも席が選べるというので、10月1日にサービスを開始したチケット・クラシックを利用してみることにしました。購入可能な公演を知るために、まずは運営元のクラシック・ジャパンに宣伝雑誌『Ticket Classic』を申し込み(見本誌は無料です)。届いた10月号(創刊号)はB5を細長くしたような大きさで、堂々の326ページ。薄い紙を使っているので、厚さはそうでもないですが、やはり300ページともなれば、重さはけっこうありますね。中身もボリュームがあって、注目公演の紹介、4ヶ月分の公演スケジュール、アーティストのインタビュー、新譜紹介、海外プルミエ情報、ニュースにコラム、ホールへのアクセス・マップまで載っています。

 さて、肝心のバレエ公演のチケットは何が買える?と見ると、扱っているのは、新国立劇場の「カルミナ・ブラーナ」『くるみ割り人形』『白鳥の湖』と牧阿佐美バレヱ団「ピンク・フロイド」『くるみ割り人形』のみ。宣伝誌の分量と購入できる公演数のギャップにちょっと拍子抜けしましたが、サービスは始まったばかりですから、仕方のないことなのでしょう(11月号にはスターダンサーズ・バレエ団『ジゼル』も出ていましたから、少しずつ扱うバレエ公演は増えていくことと思われます)。
 牧バレエ団の『くるみ』を申し込むことにして、チケットセンターに電話。夜11時過ぎにかけたせいか、すぐにつながりました。オペレーターに公演日・公演名を伝え、公演の確認がとれたら席選び。「真ん中寄りがよろしいですよね?」とオペレーターのお姉さん。おお、バレエファンの気持ちをよくご存知ですね。提示された席が希望に近かったので、迷わずその席に決めました。
 続いて私の名前・住所・電話番号・支払い方法(コンビニ払いかカード支払いか選べます)を伝えますが、ここでなんとなく中だるみ。毎回、住所まで説明するのは面倒だなと思いましたが、2回目以降の申し込み時には、名前と電話番号で本人確認をするとのことでした。公演日・座席等を再度確認して、申し込み手続きは終了。あとは郵送されるチケットを待つだけです。(次回に続く)


2005年9月24日(日) 14時05分

『SWAN MAGAZINE』第1号
 かの名作バレエ漫画『SWAN』の続編が始まるというので、購入してみました。『SWAN MAGAZINE』というタイトルや、連載当時の原稿やカラーイラストも掲載という説明から、『SWAN』を再録しつつ、周辺事情も補足し、さらに続編も読める本という、ボリュームのあるものを勝手に想像していたので、届いた本の薄さ(95ページ)に、ちょっとびっくり。
 第1号を読んでみたところ、平凡社が新たなバレエ雑誌を刊行し、その目玉が『SWAN』の続編、創刊号の特集が「有吉京子とバレエの世界」なのですね。季刊で、次号は12月上旬に発売予定、特集は「白鳥の湖」だそうです。

 肝心の有吉さんのバレエ漫画『Maia まいあ』は、主人公が真澄とレオンの娘、舞台はパリ・オペラ座バレエ学校。王道を行くバレリーナの成長物語を見せてもらえそうで、先々が楽しみです。願わくば、物語が中途半端に終わらぬよう、新雑誌が長く続きますように。
(しかし、有吉さん、客席でしゃべりながらバレエ見る人が登場するのは、相変わらずですな。)

SWAN MAGAZINE

 『SWAN MAGAZINE』(Vol.1/2005秋号)
  平凡社
  998円(税込み)
  ISBN:4-582-83287-3


2005年4月24日(日) 13時20分

Fifefoxを導入する
 インターネット用のブラウザには、長らくNetscape Navigator(4.7)を愛用していましたが、近年とみに閲覧不能のサイトが多くなってきました。どのように閲覧不能かというと、こんな感じ。

その1 落ちる
 これが一番多いですね。該当サイトに行くと、カタカタと変な音がして「このプログラムは不正な処理を行ったので強制終了されます。」のメッセージが表示され、ブラウザが強制終了されてしまう。「不正な処理」って、パソコンの能力に対して適性ではない行為という意味で使ってるのでしょうけれど、別に悪事を働いたわけじゃないんだから、と毎回むっとします。

その2 固まる
 待てど暮らせど、真っ白なページのまま。そのほとんどが、tableタグをいくつも入れ子にしているページだと思われます。「戻る」ボタンや「閉じる」ボタンをクリックしても反応してくれないので、Ctrl+Alt+Deleteで、ブラウザを無理矢理終了させることに。
(固まりはしませんが、tableタグの閉じ忘れで、やっぱりページは真っ白のままということも、ままあります。)

その3 Not Foundと表示される
 スタイルシート使ってるページに多いです。自動的にcssファイルに飛ばされて、挙句に、そんなページは無いよと言われてしまう。

その4 文字が重なる
 何十行分もの文字が、ページの片隅に、数文字程度のスペースに重なって表示されて、読めません。

その5 背景色と文字色が同色
 背景色と文字色が違うようにページデザインされているはずなのですが、Netscape4.7ではそれが反映されないんですね。当然のことながら、読めません。

その6 文字が全部□(四角)
 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と、ページ一面がこんな感じです。文字化けの一種なんでしょうけど、文字コードを変えても変わりません。

 何年も前から、こういう現象には遭遇してはいたんです。でも、クリックすれば、ほとんどノータイムで反応してくれるNetscape4.7の軽快さは何ものにも変えがたく、他のブラウザを使う気にはなれませんでした。これまで、いくつもブラウザを試してみましたが、どれも反応がちょっと鈍い。ほんの数秒の差なのですが、その数秒がいらいらの元。閲覧できないサイトが、そう数は多くないせいもあって、ちょっと面倒ではありますが、その都度、OperaやNetscapeの最新版など、別ブラウザを起動して対応してきました。
 しかし、最近のブログばやりのせいで、読めないサイトが急激に増え、6、7年前から愛読しているサイトも軒並み閲覧不能となって、ついに他のブラウザに乗り換えることを決意。
 OperaNetscape7.1Lunascape等を検討しましたが、結局、動作の速さでFirefoxに決めました。かつて、Firefox0.8を試しに使ってみた時には、(1)反応が遅い(2)ページの表示にも時間がかかる(3)使ってるうちにパソコンが重くなる、と問題点が多く、導入をあきらめたのですが、Firefox1.0は、おお、前よりもずっと軽快に。これはけっこういいかもしれない。ブックマーク機能はNetscapeよりも使いやすいし。

(Internet Explorerは、セキュリティ上の問題点が多いのと、何より、ブックマークの名称が「お気に入り」というのが嫌で、はなから選択肢には入れてません。単に、生活その他の必要上からブックマークしてるだけのサイトを、「お気に入り」とは呼びたくないです。)

 使い始めて数週間経ちますが、今のところ大きな不満はありません。ブックマークの展開の反応がちょっと遅いのが気になりますが、文句を言ってたらきりがありませんからね。
 Firefoxで、あらためて、定期的に訪れているサイトを見に行ったら、実はどこもカラフルだったので驚きました。知らない間に、テキストサイトも、随分お洒落になっていたんですね。


2004年11月12日(金) 2時10分

ガデス追悼(その2)

■ 映像(DVD)
 「血の婚礼」(“Bodas de sangre”/監督:カルロス・サウラ/1981年)
 「カルメン」(“Carmen”/監督:カルロス・サウラ/1983年)
 「恋は魔術師」(“El Amor Brujo”/監督:カルロス・サウラ/1985年)


         「血の婚礼」  「カルメン」  「恋は魔術師」


 撮影場所はリハーサル室ですが、舞台での振付を最も忠実に再現しているのは「血の婚礼」です(一部、フィルムのスピードを操作しているのではと思わせる場面もありますが、舞台も同じスピードで進行します)。19年前、この作品に出会った時の衝撃を今でも忘れません。フラメンコがこれほど雄弁に物語を紡ぐことができるのかと、驚きをもってスクリーンを見つめたものでした。
 「カルメン」は劇中劇の形で、実際の舞台で踊られたものが随所に挿入されています。舞台のもの全てが再現されてるわけではありませんが、替わりに、ファルーカなど、舞台とは違ったガデスの踊りが見られます。
 導入部にレッスンや楽屋風景を入れた「血の婚礼」、現実世界と作品が交差する「カルメン」と異なり、「恋は魔術師」は、最初から最後まで一つの物語が映し出されます。ただし、実際の舞台よりもダンスの比重が少し軽くなっていますし、映画スタジオの床のせいか、サパテアード(足踏み)があまり聞こえないため、躍動感が今ひとつなのが不満。
 3タイトルともビデオも発売されていましたが、現在は入手が難しいようです。また若き日のガデス(20代半ば!)が出演している映画に『バルセロナ物語』(監督:フランシスコ・ロビーラ・ベレータ/1963年)がありますが、残念ながら、こちらも入手困難です。

■ 写真集
 『アントニオ・ガデス』
  ピエール・ラルティーグ 著 / コレット・マソン 撮影
  前田允 訳
  新書館 1986年5月26日発行 147ページ
  ISBN:4-403-02010-0

 表紙の写真は、新書館サイトのこのページで見られます(ちょっと小さめですけど)。

■ 雑誌
 『パセオフラメンコ』(2004年11月号)
  追悼特集:カリスマ――アントニオ・ガデス、逝く

 カルロス・サウラ、ステラ・アラウソなど、生前ガデスと親しく付き合った人達から、多くのコメントを引き出し、訃報に接したスペインのマスコミの反応をレポートし、加えてアントニオ・ガデス財団(2004年5月創立)の活動にも触れているのは、さすが専門誌というべきでしょうか。初めて見る写真が何枚もあるのも嬉しいことです。現在、書店にて発売中。
 記事によると、ガデスが亡くなった翌日の新聞は、こぞって一面でその死を報じ、中には3ページ、4ページの特集を組んだものもあったようですが、これらの新聞を日本で見ることはできないのかな。いや、スペイン語は読めませんから、実際に新聞を手にしても、眺めることしかできないのですが。

2004年10月3日(日) 19時45分

ガデス追悼(その1)
 訃報から2ヶ月余り、ガデスのページを作ろうかと思いましたが、なかなかまとまらないので、とりあえず彼に関する記事等の紹介を。

■ ネット上の記事
 アントニオ・ガデス氏死去 伝説のフラメンコダンサー(Yahoo!)
 ガデス氏遺灰、キューバに 故人の遺志で(Yahoo!)

 アマポーラの一撃 ― 西脇美絵子(DANCE CUBE)
 追悼 アントニオ・ガデス ― 小林伴子/古屋雄一郎/志風恭子(Jスパ!)
 フラメンコの地位を高めた踊り手、アントニオ・ガデスが他界 ― Susana Navalon(es flamenco)
  「私の作品を称賛し、支持してくれた皆さんに心より感謝する。」

■ ネット上の写真
 Koh Okabe's Photo Gallery
  写真家、岡部好さんのサイト。
  「world music」→「Antonio」を選択すると、ガデスの写真が見られます。

 ガデス写真ギャラリー(Flamenco-world.com)
  全て映画からのものです。全身像がほとんど無いのが残念。
  一番右下の写真は、『El Amor Brujo(恋は魔術師)』ではなく『カルメン』ですね。

■ 新聞記事
 フラメンコの巨星 アントニオ・ガデスを悼む(読売新聞 7月24日夕刊)
 オーラまとう完璧主義者(朝日新聞 9月13日夕刊 「惜別」欄)

 死去の報は、7月21日の朝日、毎日、読売、東京、日本経済の各新聞に出ているのを確認しました。第一報の説明が通り一遍になるのは、ある意味仕方のないことですので、その後の追悼文に期待して、見つけたのが上記の2つ。
 読売新聞の記事は、訃報が届いた時に東京で公演中だった、ガデスの往年の名パートナー、クリスティーナ・オヨスへのインタビューをまとめたもの。これには感激しました。読売は毎週火曜日の夕刊に「クラシック 舞踊」のページを設けてますので、ダンスに関するアンテナの感度が高いですね。ガデス→オヨス→東京滞在中、と素早く考えて、オヨスに話を聞いてくれたのでしょう。ありがとう!読売新聞。
 朝日新聞の方は、7月23日に、おそらく同紙にたまに舞踊評を書いているという理由のみで起用された人による、ガデスの経歴をなぞっただけの第一報の焼き直しのような記事が掲載された時には、非常に失望させられました。数日の猶予の後に書かれるからには、その人にしか書けない視点・逸話を盛り込んだ文章が読みたいものですし、それが期待できる書き手に依頼してほしいものです。
 しかし、9月13日の「惜別」欄は、来日する度に足繁く通った寿司屋の店主や、40年来の付き合いだというプロデューサーなどに取材しており、まさに身近に接した人のみが知る話を多く盛り込んでいて、この1ヶ月半のもやもやを解消してくれました。

 バレエ雑誌では、『ダンスマガジン』(10月号)が、ガデス関連の文章を3ヶ所にわたって掲載していました。かなり大きな扱いと言っていいのでしょうね。しかし、「最後の来日からもう九年」というのは、明らかな誤り。彼が最後に日本で公演したのは1997年、7年前のことです。

2004年8月30日(月) 21時00分

『井上バレエ団35年のあゆみ』
 井上バレエ団の1968年から2003年、全82回の公演記録です。以前刊行された『井上博文によるバレエ劇場』の続刊のようで、すでに同書で紹介済みの第1回から60回までは計10ページのダイジェスト。61回(1992年)以降は、1公演毎に1〜2ページ、舞台写真や出演者名が掲載されています。舞台写真は小さめですが、その分、枚数は多く、1枚1枚をゆっくり眺めていくのは楽しいです。
 同バレエ団の公演を長く支えてきた衣裳製作・照明・舞台監督などのスタッフを紹介したページもあります。もちろん、美術担当のピーター・ファーマーさんも登場していて、1978年に書かれた井上博文さんによる「ピーター・ファーマーとの出会い」も再掲されています。
 井上バレエ団の公演会場で購入しました。税込み1,500円。B5版64ページ。


バレエ書籍データベース
 バレエ書籍データベースに1950年〜1979年の分を付け足しました(ついでに、「バレエの本棚」を「バレエ図書館」に名称変更しました。URLも一部変わってます)。
 30年分を並べて気づくのは、1970年代に入ってからの書籍価格の高騰です。高度経済成長に後押しされた大幅なインフレをひしひしと感じます。
 あらためてリストを見てみると、1979年までに発行の本で、現在新刊本で買えるものは、もうほとんどないのですね。入手可能なのは、現代思潮社の『ニジンスキーの手記』『ニジンスキーの芸術』『その後のニジンスキー』、文庫クセジュ(白水社)の『バレエの歴史』ぐらいでしょうか。


2004年8月14日(土) 23時45分

「ダンスアクトシリーズ」の今後
 2週間程前の話になりますが、阪急電鉄が梅田コマ劇場とシアター・ドラマシティをおよそ9億円で買収すると発表しました(Theater Guide NIKKEINET)。
 バレエファンとして気になるのは、ドラマシティが2001年以降、毎年制作している「シアター・ドラマシティ ダンスアクトシリーズ」(長い)がどうなるのかということ。記事によると「従来路線の公演を上演」とのことですが、上演ジャンルはそのままでも、運営方式の変更内容によっては、自主制作公演が大きく減る可能性もありますね。個人的には、公演に実際に足を運んだ回数は少ないのですが、題材も人選もユニークな意義のあるシリーズだと思いますので、できれば今後も続いてほしいものです。
 これまでの公演内容は以下の通り。

  vol.1『ジャン・コクトー 堕天使の恋』(2001年 2002年再演)
  vol.2『スターダスト in 上海』(2002年)
  vol.3『草原の風〜白い馬の伝説〜』(2003年)
  vol.4『盤上の敵』(2004年)

 『盤上の敵』は明日まで東京、青山劇場で公演。今月20・21日は本拠地シアター・ドラマシティでの上演が予定されています。


薮内正幸美術館
 山梨県白州町に薮内正幸美術館が開館(公式サイトの2ページ目は、訪問する度に絵が変わります)。
 薮内さんの名前を知らなくても、絵を目にしたことのある方は多いはず。絵本も多く出ていますし、「自然保護シリーズ」切手(1974-78年)のアホウドリも薮内さんによるものです。私にとっては、まず何よりもガンバの人ですが。


2004年8月4日(水) 3時05分

帝国劇場
 先日、芝居を見に、帝国劇場に初めて行きました。2階後方席に座りましたが、前の列の人が身を乗り出しても、視界を遮られることもなく、舞台が見やすくて気に入りました。1階1〜3列辺りは、少し舞台を見上げることになりそうで、観劇中にあごが疲れそうではありますが。
 劇場内は一面に敷かれた絨毯はふかふか、客席の壁は木張り、天井は広げる途中のミウラ折りという感じ。全体に地味な色調ですが、6枚で長さ合計20m以上はありそうなロビーのステンドグラスは華やかです。2階ロビーには椅子がずらーっと並んでいて、座る所にこと欠かないのが大変良いですね。客席内も飲食可なので、ロビーにしろ客席にしろ、ゆっくり座って食事ができます。1階ロビーでは、プログラムやお弁当、飲み物の他、アクセサリー等も売っていて、上から眺めると、お客さんの混み具合やお店の配置が、デパートの特産品売り場を思い出させます。
 変わっていたのは開演前の携帯電話の電源を切るようにというアナウンスで、私が聞いたのはこんな風。「出演者のピーターこと池畑慎之介です。皆さん、携帯電話を取り出して、1、2の3で電源を切りましょう。いいですか? 取り出しましたか? はい、1、2の3」(かなり大雑把な記憶で書いてます。実際はもう少し長いです。途中で池畑さんが少しすごんだりもして)。このアナウンスに効果があったのか、私が観劇した時には、携帯電話は鳴りませんでした。
 もう一つ変わっていたのは、休憩時間に女性用トイレの混雑状況のアナウンスがあったこと。落ち着いた男性の声で「地下1階のご婦人用トイレ、現在すいております」などと説明が流れていました。
 終演後は、地階ロビーから(外に出ないで)そのまま地下鉄改札口に行けるのも便利です。


ムーミンのパペット・アニメーション
 去年、劇場公開されたとは、全然知りませんでした(リンク先は2003年の情報ですので、お間違えなく)。原作者のトーベ・ヤンソンさん自らが監修に携わっただけあって、雰囲気出てますね。スナフキンの顔はちょっと違う気がしますけど。去年12月には特別版、今年7月には通常版のDVDも発売されています。

 大丸ミュージアムでは、ムーミン谷の素敵な仲間たち展を開催中(10日まで)。


2004年7月5日(月) 0時30分

ノヴォシビルスク・バレエ団公演日程
 11月から12月にかけて行われるノヴォシビルスク・バレエ団の全国公演日程です。現在わかってるもののみ掲載していますので、これ以外にもあるかもしれません。

11月20日(土)18時00分 北海道厚生年金会館
S席13000円 A席11000円 B席9000円 C席7500円 D席6000円
問い合わせ:北海道芸協(011-261-2388)

11月21日(日)18時00分 函館市民会館
S席8500円 A席7000円
問い合わせ:函館市文化・スポーツ振興財団(0138-57-3111)

11月23日(火)15時00分 花巻市文化会館
S席7000円 A席(自由席)5500円 小中高生(自由席)3000円
問い合わせ:花巻市文化会館(0198-24-6511)

11月24日(水)19時00分 イズミティ21
S席12000円 A席9000円 B席7000円 C席5000円
(※当日500円増)
問い合わせ:仙台市市民文化事業団(022-276-6778)

11月27日(土)15時00分 昭和女子大学人見記念講堂
S席13000円 A席11000円 B席7000円 C席5000円
問い合わせ:東京アイエムシー(03-3401-9561)

11月29日(月) 上越文化会館
(開演時刻・料金未定)
問い合わせ:上越文化会館(025-525-4103)

12月1日(水)18時30分 フェスティバルホール
S席12000円 A席10000円 B席8000円 C席6000円 BOX席14000円
問い合わせ:フェスティバルホール(06-6231-2221)

12月2日(木)18時30分 長野県民文化会館
S席9000円 A席7000円 B席5000円 C席3000円
問い合わせ:オフィス・マユ(026-226-1001)

12月3日(金)19時00分 長良川国際会議場
S席9000円 A席7000円 B席5000円
問い合わせ:長良川国際会議場(058-296-1200)

12月5日(日)14時00分 出雲市民会館
S席11000円 A席9000円 B席7000円
問い合わせ:出雲市民会館(0853-24-1212)

12月7日(火)18時30分 長崎ブリックホール
S席11000円 A席9000円 B席7000円 C席4000
親子券S席16000円 親子券A席13000円
問い合わせ:長崎新聞社事業部(095-844-5261)

 花巻市文化会館のチラシはこちらで見ることができます(全国共通か?)。ノヴォシビルスク・バレエ団の公式サイトはこちら

 ところで、ノヴォシビルスクの方がしっくりくるので、そう表記してますが、去年と今年の公演名では、「ノシビルスク・バレエ団」が正式表記です。Новосибирск(英語だとNovosibirsk)なので、ヴォの方が元の音には近いと思うのですけど。新聞に「アナニアシビリ」と書いてあるのを見た時と同じ違和感を覚えますが、招聘元が変わらないかぎりは、ノボシビルスクのままなのでしょうね。

【追記】イズミティ21・上越文化会館・長野県民文化会館公演の情報を書き足しました。(04.8.12)
【追記2】花巻市文化会館・長良川国際会議場・出雲市民会館・長崎ブリックホール公演の情報を書き足しました。(04.10.9)


2004年3月1日(火) 1時30分

ハローキティ切手
 長年、「鉄腕アトムもドラえもんも切手になってるのに、ハローキティの切手はなぜ出ないの? 名前だってキッテぃちゃんなのに」と憤慨していたキティラーの知人がいましたが、とうとう出ました、ハローキティ切手
 50円10枚と80円5枚の2種類のシートで、シール式。「ゆうびんホームページ」の画像だとなぜか色が暗めで紫基調ですが、実物の台紙はもっと明るくて薄いピンクです。全体の色調も明るめ。50円の方は、縦2cm×横2.3cmと、他の記念切手に比べると小ぶりなので、なんとなく切手を模した普通のシールみたい。
 現在、売り切れの郵便局も多いようですが、3月15日に再発売されます。そういえば少し前に、新たな鉄腕アトム切手メルモ切手も出ているのですよね。


 横須賀芸術劇場は、今年会館10周年。3月14日には、記念のガラコンサートが行われ、松山バレエ団も出演予定。
 この劇場ではバレエ公演が度々行われ、当然「公演カレンダー」にも掲載していますが、毎回、「横須賀芸術劇場」にするか「よこすか芸術劇場」にするかで悩みます。公式サイトに両方の表記が出ているので、どっちが正しいんだい?と思いますけど、結局どっちでもいいということなのでしょうか。

 いわき市平市民会館大ホール客席図。たいていのホール公式サイトには座席表が載るようになりましたが、通常は舞台が上、つまり客席から舞台を見る方向で描かれています。舞台側から描かれたものは大変珍しいですね。しかも、客席の傾斜もわかるようになっていて芸が細かい。
 このサイトは、地味なデザインながら、軽くて見やすくわかりやすく、しかもホールの公式サイトとして必要なことはきちんと含まれている、大変良いサイトだなと、訪問する度に思います。


2003年12月11日(木) 1時30分

絵本『おいしそうなバレエ』

 はらぺこオオカミが街で遭遇したのは、おいしそうなブタ達が踊るボルシチ・バレエ団。運良くチケットを手に入れて劇場の中に入り込み、ブタ達をひとのみにするつもりでいたオオカミは、いつしか『白ブタの湖』に夢中になって……。
 1992年に亡くなったジャイムズ・マーシャルの文章に、友人のモーリス・センダック(『かいじゅうたちのいるところ』などでおなじみ)が絵をつけました。日本語版は、10月に出版されたばかり。
 よくよく見ると、オオカミの寝室にある本が『トワイラ・サープ』や『フレデリック・アシュトン』だったり、洗面所の近くに貼ってあるポスターがピカソの描いたパラードの一部だったりと、物語を読んだ後は、細部に注目してもう一度楽しめます。英語が堪能な人が英語版を読むと、さらに面白いのだろうと思いますが。
 原題は“Swan Lake”ならぬ“Swine Lake”。英語のアマゾンでは、中身をほんの少し見ることもできます。

『おいしそうなバレエ』表紙  『おいしそうなバレエ』
  ジェイムズ・マーシャル 文 / モーリス・センダック 絵
  さくま ゆみこ 訳
  徳間書店(2003.10.31発行) 1,600円+税
  ISBN:4-19-861756-2
  縦23cm×横20cm 40ページ


2003年9月29日(月) 0時30分

 うらわまことさんと藤井修治さんが「今週の評論」を書いていたサイトVIDEOが、VIDEO Co.と名称を変えました。デザインも新しくなりましたね。「今週の評論」は「幕あいラウンジ」とコーナー名を変更し続けられるそうです。第1回目はうらわさんの「ある日の日記」ですが、多忙な一日ですね。さすがに年に300公演ご覧になっているだけのことはあります。今後は新たな執筆者が何人か加わるようで、最新の文章は、横井茂さんがお書きになっています。


 有楽町界隈を歩いていたら、カラフルな牛がいたる所に。未年の今年になぜ牛なのか?と思いましたが、有楽町・丸の内・大手町で、カウパレードという牛のオブジェの展示会をやっているのですね。1998年にチューリッヒで始まったカウパレードは、その後世界各地で行われ、今回初めて日本でも開催。街のあちこちに置かれた64頭の牛は、最後はチャリティ・オークションで希望者に引き取られるそうです。
 しかし、写真ではわかりにくいですが、この牛かなり大きいんですよ。見たところ本物のホルスタインの80%ぐらいの大きさです。部屋に置くと場所取りですから個人で買う人はあまりいないでしょうが、庭に置けば大丈夫かな。
 ちょっと背に乗ってみたいと思わせるような高さなのですが、こちらの気持ちを見越したように、プレートには「上に乗らないでください」と書いてありました。


2003年9月16日(火) 2時10分

 少し前に、「屋根裏部屋」に福音館文庫の一覧を掲載しました。文庫という名称ですが、文庫本より少し大きめ。縦170mm×横123mmですから、現在の岩波少年文庫より背はちょっと低め、幅はちょっと太めですね。人によっては、横幅が多少手に余る感じですが、その分、活字がゆったり組んであって読みやすいです。去年6月の刊行開始以来、着々と点数を増やしていて、絶版本の復刊にも意欲的なようです。息長く続いて欲しい文庫です。
 今回は表紙画像のページも作ってみました。並べたらきれいなんじゃないかという、それだけの理由です。予想通りきれいで、しかもシリーズごとにデザインを変えていることもわかって面白かったのですが、表示に少し時間がかかります。ファイルサイズのチェックをしたら、評価はFでした。「ファイルが重過ぎます。根本的に考え直したほうが良いかもしれません。」だそうで、ご指摘の通り。お遊びページですので、根本的に考え直したりせず、そのままにしておきますが(そのままどころか、刊行に合わせて画像は増える予定です)。

 あまり知られていませんけれども、巣鴨駅近くにある福音館書店の本社ビル1階でも、福音館の本を販売しています。営業時間が9時15分〜17時(11時50分〜12時50分は昼休み)で、土日・祝日がお休みなのは、そもそもが取次店・書店用の販売コーナーだからでしょうね(それ以外の人も本は買えます。購入がたとえ1冊でも、レシートではなくて立派な納品書が発行されるのには、ちょっと恐縮しますが)。現在入手可能な福音館の本は、全て置いてあるのではないでしょうか。本屋というより明るい倉庫という感じのスペースに、ぴかぴか光る福音館の本が、ずらっと並んだ景色は壮観です。


 チャコットのウェブ・マガジン Dance Cube。月1回の更新で、すでに9号を数えてますが、意外に知られていないようなのでリンクします。「今月のアプローズ」を担当しているのは、元『ダンスマガジン』編集長の関口紘一さん。関口さんは、シアター・テレビジョンのサイトにも、ダンスのガイド記事を連載しています(関口紘一のダンスで浮かれっ話)。


2003年7月9日(火) 0時10分

 前回に続き、ティアラこうとう関連の催しのお話。
 今年のアサヒアートフェスティバル「すみだ川左岸カルチャーツアー」では、ティアラこうとうで東京シティ・バレエ団『真夏の夜の夢』のバックステージが見学できるそうです(7月19日)。東京シティ・バレエ団の稽古場もコースに含まれていて、お知らせをもらった時には参加する気になったのですが、午前10時から午後5時は、拘束時間がちょっと長くてあきらめました。東京シティの稽古場を見学できる機会なんて、そうそうないですから、未練はありますが。
 4月に引っ越したばかりの東京シティの新しい稽古場は、ティアラこうとうの徒歩圏内(かつては児童会館として使われていました。館内にはプラネタリウム(現在休止中)もあるらしいです)。今度はバスツアーではなく、ティアラこうとう周辺てくてくツアーを企画してもらえないものでしょうか。

 ティアラこうとうのバックステージだけなら、年に1、2回開催される見学ツアーで見ることができます。私は今年の2月に参加しましたが、舞台袖・楽屋だけではなく、音響室・照明室にも入れてもらって、スタッフさんの話を聞くことができました。


 Bunkamuraで開催中の「ミレー3大名画展」は13日まで。連日かなりの混雑ぶりのようですね。4月10日に始まって6月21日には入場者は25万人を超えたそうですから、会期中には30万人に届くかな。
 ところで、「晩鐘」「落穂拾い」「羊飼いの少女」が、この展覧会では「ミレー3大名画」と呼ばれているのですが、この言葉は世間的に認知されているのでしょうか。ネットで検索した限り、この展覧会の話題以外に、ミレー3大名画という言葉は見つからなかったのですけれど。もちろん、ネット上の情報が全てではありませんが、「世界3大バレエ団」同様、主催者が宣伝のためにそう呼んでるだけで、実体はないのではないかと、ちょっと疑っています。展覧会自体は貴重なものだとは思いますが。


2003年6月16日(月) 2時15分

「公演カレンダー」にも掲載した、舞踊作家協会「エアーメール ダンス」(ティアラこうとう 小ホール)は、劇場からのお知らせを読むと、1960年代から続いているダンス公演のようです。「航空郵便で地球を駆け巡り」という説明が気になって、ちょっと調べてみました。人間が航空郵便で運ばれるわけはありませんから、振付家が出演者に直接会って振り付けるのではなくて、航空便で振付の内容を伝えるということ? それでタイトルも「エアーメール ダンス」なのでしょうか?
 日本語で説明しているサイトは見当たらなかったので、英語のサイトをいくつか読んだものを総合して、私が得たイメージはこんな感じ。振付家のレミー・シャーリップ(Remy Charlip)は、人間が踊っている姿がたくさん描かれた絵を、航空便で各国のダンサーやカンパニーに送ります。しかし、手紙にはダンサーの動きが最初から最後まで説明されているわけではなく、描かれている様々な姿を埋める動きは、出演者が考え出して、舞台で踊るようです(ここでシャーリップが描き送ったらしい絵が見られます)。
 音楽についての指示がどうなっているのかは、わかりませんでした(読み落としたかな)。そもそも、ポーズからポーズの間の時間の指定がないならば、音楽を指定するのも、あまり意味がない気がします。私のまとめ方があっているかどうかは、実際に舞台を見てみなくてはわかりませんが。公演当日は、多分「エアーメール ダンス」についての説明もあるのでしょう。

 レミー・シャーリップという名前になんとなく覚えがあったのですが、絵本が何冊も出版されているのですね(チャーリップという表記されることもあるようですが)。おや、そういえば我が家にも一冊、この方の本が。


 かなり前(ほんとにかなり)、「しゃべりながらおどっているところになげこむんです」の舞台に何が投げ込まれるのかという話を書きました。実際に投げ込まれたものが、しばらく前に再開された「キムは今・・・」に出ています(2002年1月16日分。ページの一番下)。
 ヘリウムガスのキティちゃん、パイ(にせ物)、クラッカー(食べ物じゃなくて音の鳴る方でしょうね)、孔雀の羽根、紙風船に蜘蛛の糸ですか。蜘蛛の糸って、1個、2個と数えるものではないと思うのですが(そもそも投げ込めるもの?)、もしかして、放り投げるとテープがパーッと広がる小道具のことでしょうか。


2003年5月14日(水) 0時40分

「シーナ映画がバレエに!」というチラシをもらい、なんだい?シーナ映画って?と思いましたが、椎名誠監督の映画のことでした。『草原の風』は、映画「白い馬」を下敷きにしたダンス公演で、シアター・ドラマシティによる制作。『ジャン・コクトー』『スターダスト in 上海』に続く、ダンスアクトシリーズの3回目だそうです。
 副題が「白い馬の伝説」で、コピーが「永遠の白い馬を追い求めて…」で、写真にも馬が大きく使われていてと、やたらと「馬」が目立つチラシなのですが、舞台に本物の馬は登場するのでしょうか。おそらく映像が流れるだけだろうと予想しつつ、ちょっと気になります。

 お問い合わせがあったので、モスクワ音楽劇場のサイトのご紹介。凝った作りですが、凝りすぎていて、情報伝達の手段としては、あまり役に立っていないような。


2003年3月16日(日) 22時45分

 開幕時から、なぜか新国立劇場のバレエ公演には、キャッチコピーがついています。そこでクイズです。次のコピーの公演名を当ててください。

 1.幸せになれるなら、100年眠らされてもいい。
 2.舞姫ニキヤの恋。
 3.イヴの夜、彼女は、どこかへ旅をする。
 4.愛の誓いは、翼に乗って舞い上がる。
 5.恋模様という可笑しな模様。
 6.許せる男。許せない男。

 1〜3番は簡単ですね。それぞれ、『眠れる森の美女』『ラ・バヤデール』『くるみ割り人形』(2番は「そのまんまじゃない」という声も聞こえてきそうですが)。
 4番は少し難しいかもしれませんが、新国立のレパートリーで翼が関係するのは『白鳥の湖』のみで、これが答え(シルフィードにくっついているのは、翼じゃなくて羽です)。
 5番は『ドン・キホーテ』。なぜ?と尋ねられても困ります。『ドンキ』のチラシにそう載っていたからとしか、お答えのしようがありません。
 6番は『ラ・バヤデール』のコピー。つい最近の公演ですから、おわかりになった方も多いでしょうが、そうじゃなければ悩みますよね。これなら、『白鳥』『ジゼル』『ラ・シルフィード』も該当しますから。

 上の6つ以外にも、まだまだ公演コピーはありますので、一覧を作ってみました(キャッチコピーには著作権が設定できないということなので、その点は問題ないはずです。一部取りこぼしがあるかもしれません)。チラシを受け取った時に、コピーを見ては微笑、苦笑したものですが、改めて並べてみると、色々思うところがあります。中には、そこまでして無理してつけなくても、というものもありますが(ついでに言えば、なぜ毎回律儀に“。”をつけるのか)。
 こちらに掲載しましたので、お暇な方はご覧ください(作成した私が一番暇)。さらに時間のある方は、個人的な賞などを考えるのもよろしいかと。私の推すコピーは98年『くるみ』のこれです。「アン ドゥ トロアとサンタがやってくる。」


2002年7月31日(水) 23時35分

 5月末以来、全然更新してませんね。7月も終わってしまうので、せめていくつかリンクだけでも。

今年も開催しています、「清里フィールドバレエ・コンサート」
 今回は『天上の詩』『ジゼル』『くるみ割り人形』3本立てを日替わりで。

東京グローブ座、7月で休館へ
 時折バレエ・ダンスも上演されたグローブ座が、経営難を理由に休館。今日の大江千里コンサートが最後のようです。「東京都は同劇場の建物を、引き続き劇場として運営する考えを表明」との報道もありますので、そのうち新体制を整えて、再出発するのでしょうか。

映画「BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界」は9月からロードショー
 ワイズマンの1995年作品ですので、すでに何度か日本国内で公開されていますが、ロードショーは初めてでしょうか。ABTの来日公演に合わせてなどというのは、言わずもがな。
 パリ・オペラ座を扱った「エトワール」は引き続き渋谷のル・シネマで上映中。8月いっぱいまでは確実だそうです。7月27日からは、ジェレミー・ベランガール出演の短編映画「ランデヴー」を併演。

大修館書店の本を10%引で購入できるTESクラブ
 大修館発行のバレエ書籍も対象です(「スポーツの棚」→「ダンス」を選択すると、一覧が表示)。3000円以上の購入は送料無料。

■ 「クマのプーさん絵本原画展」(小田急デパート新宿店 8月12日まで)「ディックブルーナ100展」(三越デパート新宿店 8月4日まで)。
 夏休みで混雑してるでしょうけど、どちらも新宿ですので、はしごが可能。「100展」は、うさこちゃんの原作者ディック・ブルーナさんの100冊目の絵本が出版されたのを記念して企画されました。
 ところで、うさこちゃんの元の名はNijntje(ネインチェまたはナインチェ)で、「うさちゃん」の意(ちなみに名字はプラウスで「ふわふわ」)。ミッフィー(Miffy)は英語訳での名前だそうです。そういえばブルーナさんの公式サイトのURLもhttp://www.nijntje.nl/でした。


2002年5月31日(金) 0時50分

 数々の優れたこどもの本を出版している福音館は、今年創立50周年(おめでとう!!!)。記念行事の一環なのか、現在、練馬区立美術館では「はじめての美術 絵本原画の世界展」開催中です(6月9日まで)。『こどものとも』の原画展だというので、先日出かけて行きました。
 こどもの時、毎月発行される『こどものとも』を楽しみにし、繰り返し読んだものでしたが、原画を見るのは初めて。よく考えたら当然なのですが、どの絵も、絵本本体と同じか、それ以上の大きさなんですね。しかも、30年以上前の絵でも、ほとんどが退色せず、鮮やかな色を保っていて、細部の筆使いもよくわかります。そういう原画が、広い会場に300点余り。壮観です。
 よく馴れ親しんだ絵でも、文章抜きでゆっくり見ていくと、新たな発見がいくつもあって、面白いものでした(佐藤忠良さんの『おおきなかぶ』の猫は、かぶを引っぱる時に、全然力を入れてないみたい。他のひとは一所懸命引っ張ってるのに、断れなかったからポーズだけって感じです)。ぐりとぐら、じおじお、ぶたぶたくん、じぷた、かばくん、てぶくろくろすけなどの名前に反応してしまう方は、是非お出かけください。出品作家はこちらのページ(下の方)で確認を(なぜか、「だるまちゃん」シリーズのかこさとしさんの絵は、今回出品されてなかったのですが)。

 こども向けの物語ですが、福音館はバレエに関係する本も出してるんですよ。ハーラル・ストルテンブルグの『バレエをおどりたかった馬』がそれ。バレエ団に遭遇した田舎住まいの馬が、バレエを習いたくなって、町のバレエ学校に入学するというお話。作者はノルウェー生まれの方で、単純な成功物語になっていないのが北欧的、と私はこじつけて納得しています。女の子クラスでスカートをはいてバレエを習う馬(そういう名前なんです)の一人称は、なぜか「ぼく」。原文は、男の子だとわかるような書き方になっているのでしょうか。

『バレエをおどりたかった馬』表紙  『バレエをおどりたかった馬』
  ハーラル・ストルテンブルグ 作
  菱木晃子 訳
  福音館(1999.10発行)
  1,200円+税
  ISBN:4-8340-1410-X


2002年5月18日(土) 5時05分

 もう終わってしまいましたが、5月4日には、東京芸術劇場で目白三人の会の公演がありました。目白に居を構える芙二三枝子舞踊団、花柳千代舞踊研究所、小林紀子バレエ・シアター合同によるこの公演は、1984年からですから、息長く続いていますね。
 お三方による共著『踊りに生きる 三人三踊』(大月書店 2000円 ISBN:4-272-61006-6)も出ていて、この本によると、そもそもは、地元の人々を対象に企画され、第1回は花柳さんのお稽古場が使われたそうで、しばらくは、それぞれのお稽古場の持ち周りで行われたようです。本には当時の写真も掲載されていて、数メートル先の演者に見入る観客が印象的。場の熱気が伝わってきます。
『踊りに生きる』は1987年刊行ながら、現在でも入手可能。小林さん、芙二さん、花柳さんが、それぞれの来た道を振り返り、最後は鼎談という構成です。


2002年5月9日(木) 3時10分

 そろそろピナ・バウシュ率いるヴッパタール舞踊団の公演が始まります。バウシュは私の守備範囲ではないのですが(そのうちと思いつつ、まだ観たことありません。今回も見送ることになるでしょう)、現代を代表する振付家の一人とあって、「ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団 ヴィデオ上映とトーク・写真展」「PINA IN KOMABA(ピナ・バウシュとの対話)」と、関連の催しがいくつも予定されているんですね。他にも彩の国さいたま芸術劇場での写真展(5月26日まで。無料)、バウシュ作品の美術を担当しているペーター・パプストのセミナー(5月18日、新宿文化センター。1000円。申し込み03-3552-5687)などもあるそうです(朝日新聞5月7日夕刊の記事を元にしています)。

 ところで、上の催しについて検索している最中に、「高部尚子舞台写真展」のお知らせを見つけました。20年近く高部さんを撮り続けたということは、ローザンヌ・コンクール入賞前後の写真も見られるのでしょうか。これは是非行きたいです(大変都合のいいことに、青山円形劇場の「ラ ダンス コントラステ」公演と日程が重なってる)。
 このお知らせの載っているサイト、E-DANCEは情報量が多いので、たまに覗いています。現在はリニューアル中で、読めないページがけっこうありますが、「乞うご期待!!」ということなので、期待して待ってます。

 先月末に、ようやく「バレエ書籍データベース」を載せました。といっても、80年代の分だけですが。しかも、詳細説明は81年で止まってます。日本語で出版されたバレエ書籍を網羅したデータベースを作りたい、という野望はあるのですが、完成は果たしていつになることやら。現在、私が題名・著者名・出版年等を把握している書籍は400冊余り(一番古いのが1903年刊行のもの)。この400冊だけでも、説明を一通り書くのは結構手間ですね。全てが手元にあるわけでもないし。まあ、楽しみながら、10年計画ぐらいのつもりで、こつこつ作っていくつもりです。


2002年4月17日(水) 23時50分

 7月の小林紀子バレエ・シアター『ジゼル』の主演は、わーい、島添亮子さんですね(下村由理恵さんとダブルキャスト)。これは何としても行かねば。私が島添さんのファンになったのは、99年の2月、李波さんと組んで黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥを踊ったのを観た時なのですが、まさか、こんなに早く、『ジゼル』主演を観る日が来ようとは。楚々として丁寧で品のある踊り、大好きです。
 小林シアターは、創立30周年記念ということで、例年の7月、12月公演に加え、今年は10月にも公演を予定していますね。演目は「二羽の鳩」と「ソリテイル」。去年の「ソリテイル」では、島添さんが主役で、非常に評価が高かったので、今回も最低1日は真ん中を踊ってくれるのでしょうね。こちらも非常に楽しみです。
『ジゼル』の一般発売は明日ですので、公演に行く予定の方はお忘れなく。ところで、相手役のパトリック・アルマンは、パトレック・アルモン→パトリック・アルモンを経由して、再び、パトリック・アルマンにおさまったみたい。この変遷の陰に何があったのかは謎ですが。
(追記:と思ったら、チラシはパトリック・アルモンになってました。まだまだ表記の揺れは続きそう。4/22)
(さらに追記:「日本バレエフェスティバル」のチラシでは、パトリック・アルマンです。6/16)

 しばらく、目が痒くてしょぼしょぼするのが続いたので、菊花茶を買って来て飲んでみたところ、効果抜群。すぐに、目がすっきりして痒みもなくなりました。菊花茶って、菊を干しただけの中国茶なんですけど(いわば中国のハーブですね)、目の疲れには本当によく効きます。中国茶や中国食材を扱っているお店で、手に入ります。値段は50グラム400〜500円ぐらいから。ものによっては、お湯に入れると、びっくりする程菊の量が増えるので、初めて飲む時は、ほんの少しだけ入れて様子を見ましょう。


2002年4月15日(月) 23時55分

『日本のバレリーナ』表紙  文園社から『日本のバレリーナ 日本バレエ史を創ってきた人たち』(文園社 編)が出版されました。元は雑誌『バレリーナへの道』に連載されたもの。戦後日本で活躍したバレリーナのたどった道を、ご本人へのインタビューや資料を元に、ライターがまとめています。
 登場するのは、貝谷八百子、谷桃子、松山樹子、橘秋子、太刀川瑠璃子、大滝愛子、小林紀子、大原永子、小川亜矢子、加美早苗、松尾明美、石井清子、岡本佳津子、佐多達枝、アベ・チエ、笹本公江、多胡寿伯子、雑賀淑子、谷口登美子の各氏。
 雑誌連載時から、興味深く読んでいたので、まとまって本になったのは嬉しいのですが、いかんせん表紙が地味すぎます。これなら、いっそ真っ白の紙に印刷した方が、すっきりして良かったのでは。でも、中は写真が多く掲載されていて、読みごたえもあるので、本屋で見かけたら手に取ってみてくださいね。

 三省堂のPR誌『三省堂ぶっくれっと』が先月発行の153号で休刊に。定期購読するほどの熱心な読者ではなかったけれども、読むところが多くて好きだったのですが。目次の連載ものに最終回の文字が並んでいるのが悲しいです。しかも、「書斎拝見」は先日逝去された千野栄一さんで、余計悲しくなりました。
 東欧の言語を中心に10数ヶ国語を解した言語学者の千野さんは、多数の訳書の他、『ビールと古本のプラハ』など、何冊ものエッセイも著しています。興味のある方は、本屋か図書館で探してみてください。どれも、本と言語学に対する愛情が感じられる文章です。


2002年3月31日(日) 23時50分

コンボイ」って、名前を知っている程度だったのですが、3月15日の朝日新聞(朝刊)によると、今度の公演には、井上バレエ団のプリマバレリーナだった井神さゆりさんも出演されるんですね。バレエシーンもあるそうで(「白鳥の湖」ならぬ「ペンギンの湖」)、ちょっと気持ちがそそられます。「PENGUINZA」の東京公演は4月3日〜15日(9日休演)、青山劇場にて。

 団体・個人を問わず、希望者に販売、というのは、京阪電鉄の引退車両。希望の長さに切断・加工もしてもらえます。とはいっても、電車車両なんて置く場所に困るから個人で買うのは難しいよと思いましたが、ページ下の加工例を見たら、庭があればなんとかなりそうな。値段はちょっと張りますが、庭を持ってる電車好きの方、ひとついかがでしょうか。


2002年2月28日(木) 23時50分

 復刊ドットコムというサイトをご存知でしょうか?閲覧者から投票を募り、要望の多い絶版・品切れの本を復刊させようというサイトです。最終的には版権を持っている出版社の判断しだいなので、復刊交渉の目安である100票を得たからといって、必ずしも復刊されるわけではないのですが(加えて、復刊希望の本は増える一方なのに、人手は足りず、最近は交渉へ赴くのも難しいという事情もあるらしいです)、大変意義のある事業ですし、大きく成長していってほしいものです。ここのおかげで私は、『家なき娘』と『スイスのロビンソン』を入手することができました。
 今復刊を心待ちにしているのは、『偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき』。現在、版元と交渉中で、「出版社にて再販を検討中」ということです。さっさと、うん、と言ってくれ、TBSブリタニカ。この本の著者のミュージカル俳優のジュリー・アンドリュースさんは、のどの手術の後遺症で歌うことはお休みしていましたが、徐々に良くなっているようで、何よりです。


 もう1つサイトをご紹介。「Theater Attendant World」には、劇場の案内係だった方の2年以上にわたる経験が綴られています。普段、観客としてしか劇場へ行かない身には、いろいろと勉強になる内容でした。勤務していたホールは、上演演目からおわかりになりますね。

 12月3日に触れた厚木シティバレエのページが、先頃公開されました。厚木市文化会館サイトのトップページからどうぞ。一昨年の2月上演の「創作バレエ小品集」が観たかったな。第4回目の公演も、そろそろ予定されているのでしょうか。


2002年1月7日(月) 0時45分

 2月に行われるコンサート「クラシックはいかが?」(2月18日 オーチャードホール/主催 日本クラシック音楽事業協会)の料金設定はちょっと変わってます。全席指定で、クラシックコンサートによく行く人は4000円、ときどき行く人は2000円。普段あまりクラシックになじみのない人にも気軽に来てもらおうと、敷居を低くする工夫なのでしょうね。演奏会の事情には明るくないのですが、今度で6回目を迎えるこの公演、今までもこうだったのでしょうか。
 気になったので、ネットで検索して調べたところ、以前は、クラシックコンサートによく行く人3000円 、はじめて行く人1000円、去年は2001年にちなんで、全席2001円だったそうです(Wellpine Music Clubこのページによる)。そして、今年は、「はじめて行く人」が「ときどき行く人」に変わり、値段も少しアップ。とはいえ、演奏の他、バレエあり、タンゴあり、フラメンコありの、かなり盛りだくさんな内容。谷桃子バレエ団の名前もあって、どなたが出演するのか気になります。

 意欲的で面白いといえば、Art's Calender「芸術通貨」の試みも大変面白いです。地域通貨・LETSは一時期ほどマスコミに取り上げられなくなりましたが、色々な場所でこうやって地道な試行錯誤が繰り返されながら、新しい交換システムができあがっていくのかもしれません。

 今週末、谷桃子バレエ団『白鳥の湖』が上演されますが、この公演チラシに伊藤範子さんバージョンと高部尚子さんバージョンがあることは、あまり知られていないみたい。お暇な方は、お手元のチラシをチェックしてみましょう。


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